やけどは、深さによってI度~III度に分類されます。
I度・・・・・ | 表皮のみのやけどで、赤みとヒリヒリした痛みを起こします。 |
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II度浅層・・・ | 真皮の浅い層まで及び、水ぶくれ・びらんと強い痛みがあります。 |
II度深層・・・ | 真皮の深い層(皮下組織のすぐ上)までのやけどで、水ぶくれを起こします。 |
III度・・・・・ | 真皮を含む皮膚の全層まで及び、表皮が硬くなって灰白色になります。 |
やけどの深さによっては後日、手術が必要な場合もありますので、5-10分くらい流水で冷やしたあと、冷やしながら受診してください。衣服の部分にやけどを起こした場合は、無理に服を脱がしたりせずそのまま冷やしてください。湯たんぽなどの低温やけどの場合は範囲が小さくても深いやけどの可能性があるので、受診してください。
「キズは消毒して、乾かして、かさぶたを作って治す」という考え方に対して、近年、「キズを乾かさないようにすることで、自己治癒力を最大限生かして治す」湿潤療法という考え方が広まってきています。生きている細胞は乾燥すると死んでしまいます。
細胞は湿った環境(湿潤環境)の中でしか生きることはできません。キズを治すときも同じです。ケガした部分をしっかり覆うことで、滲出液(体からキズを治そうとして出る体液)を逃さずに湿潤状態を保ち、治癒に最適な環境を作る治療法です。滲出液にはキズを早くきれいに治す力が秘められています。この滲出液の力を最大限に活かすためにキズを乾かさない(かさぶたをつくらない)ことが大切です。かさぶたを作ると、キズの治りが遅くなり、キズ跡も残りやすくなってしまいます。
また、消毒剤の中には、刺激が強く、キズが治る上で必要な細胞組織を破壊し、治りを遅らせてしまうものもあります。
キズは水道水で異物やバイ菌を十分に洗い流してください。
正しい湿潤療法で、痛みを軽減し、キズを早く、きれいに治しましょう。