顔の赤みは、さまざまな原因によって起こりますが、主な原因として、「毛細血管の拡張」「皮膚が薄くなっている」「肌の炎症」の3つがあげられます。
顔には毛細血管が多く張り巡らされています。毛細血管は通常の肌では見えません。毛細血管は、自律神経の働きや、気温の変化によって、拡張と収縮をくりかえしており、これによって、血管を流れる血液の量や速度が調整されています。しかし、なんらかの理由で血管が拡張したままになると、血液量が増えたまま血流がとどこおってしまい、血液の赤い色で肌が赤く見えてしまいます。毛細血管が拡張したままになる原因は解明されていませんが、自律神経の乱れにより毛細血管の拡張・収縮がコントロールできないこと、激しい寒暖差が続き毛細血管の収縮力が低下することなどが考えられています。
毛細血管の拡張によって、顔が赤くなるものには、「毛細血管拡張症」や「酒さ」などがあります。
皮膚には、表面から「表皮」「真皮」という2つの層があり、毛細血管が張り巡らされているのは、2層目の真皮です。このため通常、毛細血管は外から透けて見えることはありません。しかし、表皮が薄くなっていると透けてしまい、肌が赤く見えます。また、表皮の一番外側には、外部の刺激から肌を守っている「角質層」があります。表皮が薄くなることで角質層のバリア機能が低下すると、肌がちょっとした刺激にも過敏に反応してしまい、これも肌の赤みにつながります。表皮が薄くなる原因は、生まれつきの体質もありますが、肌をゴシゴシこすったり、刺激が強すぎる化粧品を使い続けていたりなど、間違ったスキンケアによって、自分で表皮をいためていることもあります。
皮膚に炎症が起きると、毛細血管が拡張、充血した状態になり、赤くなります。皮膚には紫外線や気温の変化、細菌、化学物質といった外的刺激から守る役割がありますが、刺激が強すぎたり、角質層のバリア機能が低下していたりすると、防ぎきれず、炎症が起こります。
皮膚に炎症を起こすものには、「肌荒れ」「ニキビ」「脂漏性皮膚炎」などがあります。