舌なめずり皮膚炎は「くちびるの乾燥」に「くり返し舌でなめるという刺激」が加わることによって口の周囲が荒れる皮膚病です。
口のまわりの舌が届く範囲に、境界がはっきりした赤みがあり、ひび割れや粉をふいています。くちびるや皮膚を湿らせようと舌でなめまわすことで、唾液により皮膚が荒れ、ザラザラした舌先の刺激が皮膚を傷つけ、余計に皮膚が荒れて乾燥するという悪循環におちいってなかなか治りません。
唾液や舌の刺激で皮膚が荒れること以外に、服の袖などで口をこすることで皮膚に刺激が加わり炎症を悪くしていることも多いようです。
空気が乾燥した冬や、アトピー性皮膚炎を合併した子どもに生じやすい傾向があります。
ステロイド外用薬と保湿剤の塗布が治療となります。それに加えて、マスクを着用させると、口周囲の湿度が増すため、痒みが軽減し、舌なめずりそのものが減少します。
治療して赤みが引いた後も、しばらく茶色い色素沈着が残り、カールおじさんのようになってしまいます。早めに治療することで、色素沈着も軽くすみます。