院長コラム

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2017.06.19

虫よけ

虫よけは大きく分けて2種類あります。
①「いやがる香り」・・・「ハッカ油」などをはじめ、「シトロネラ」「ユーカリ」「レモングラス」などのハーブや、「ヒノキ油」など。蚊が強い香りを嫌がって近寄らなくなる。効果の持続時間は短いので、こまめに使う必要がある
②「目隠し」・・・一般的な虫よけ。成分は「ディート」や「イカリジン」など。皮膚に塗ることで蚊のセンサーをだまし、塗った部分をヒトだと分からないようにする。効果のある範囲がせまく、塗り残しがあるとその場所を刺されてしまうので、手で塗り伸ばす必要がある。持続時間が4~6時間と長く、汗で流れなければ効果は高い。

ディートは、以前から広く使用されている成分で、大人が使用するには心配ありませんが、 小児(12歳未満)に使用する場合には、「保護者等の指導監督の下で、以下の回数を目安に使用すること。なお、顔には使用しないこと。」とされており、小さな子どもに高濃度なものを使用するのは少し心配です。
・6か月未満の乳児には使用しないこと。
・6か月以上2歳未満は、1日1回
・2歳以上12歳未満は、1日1~3回
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イカリジンは、アメリカやヨーロッパなど世界50カ国以上で使用されている成分です。 ディートのように子どもへの使用制限や回数制限がなく、目や口に入れてはいけませんが顔への使用も可能です。2016年まではディートは濃度12%、イカリジンは濃度5%までと制限されていました。しかし、海外ではもっと高濃度で長時間虫よけ効果を発揮する製品が多数売られていることや、デング熱やジカ熱など蚊による感染症の増加をうけて、ディートは濃度30%、イカリジンは濃度15%までと改定され、高濃度な虫よけが発売されています。
イカリジンの効果は、ディート10%とイカリジン5%が同等とのことですので、虫よけ効果は十分です。
イカリジンの弱点は、効果が認められるのは、蚊やブヨ、アブ、マダニの4種類だけで、ディートでは虫よけ効果が認められたノミやイエダニ、トコジラミ、サシバエには効果がないところです。値段もディートの商品に比べると高いです。

小さな子供や、顔にも使用したい人には、イカリジンがおすすめです。