巻き爪は、足指の変形、つま先の細い靴、不適切な爪の切り方、歩き方のクセなどで爪に不自然な力が加わることにより発症するといわれていますが、はっきりとは分かっていません。
時に爪が皮膚に食い込んで、爪周囲に炎症を引き起こすことがあります(陥入爪)。その場合、痛みや腫れが起こり、歩くのが困難になることがあります。爪の周囲の組織に傷ができ、そこから細菌が入って化膿性爪囲炎という感染症を引き起こすこともあります。
傷をジュクジュクしたまま放置すると化膿性肉芽腫という赤い盛り上がりができ、さらに治りにくくなります。化膿すると、爪の周囲の組織が腫れるためにさらに爪が食い込みやすくなってしまいます。そうすると、爪が皮膚に食い込む→腫れがひどくなる→より爪が皮膚に食い込みやすくなるという悪循環に陥り、痛みがいつまでたっても良くならないという状況に陥ります。糖尿病をお持ちの方は蜂窩織炎、糖尿病性壊疽の原因となりやすいですので、特に注意が必要です。
爪の角の辺縁の皮膚にテープを固定し、もう一方をらせん状に引っ張るように貼り、固定をすることで、爪縁と皮膚をテープで引き離し、爪の食い込みを軽減します。患者さん自身で行え、タイプによっては効果的です。
爪の角と皮膚の間に、綿花を挿入し固定します。
痛みが挿入後より改善し、慣れれば患者さん自身でできる治療です。
爪の角と皮膚の間に、縦に切れ目を入れた点滴チューブなどを挿入し、ボンドで固定します。コットンパンキングと仕組みは同じですが、取れにくく長持ちします。痛みが挿入後より改善します。
爪が幅広いタイプの陥入爪に良い治療法です。
フェノール法は、爪の食い込んだ部分を根元まで除去した後に組織をくさらせる作用のあるフェノールを爪母(爪を作る部分)に塗ることにより、除去した部分の爪を生えこないようにして、陥入爪の再発を防ぐ手術(保険適応)です。化膿していても手術が可能です。デメリットは、爪の幅が狭くなってしまうこと、フェノール処置が不十分だと不完全な爪が再生してくることなどがあります。