院長コラム

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2016.07.12

とびひ

とびひとは?
とびひは多くの場合、すり傷・虫刺され・湿疹・あせもなどをかきむしってできた、浅い傷に細菌が入り込み、感染することで症状が起こります。アトピー性皮膚炎ように、皮膚のバリア機能が低下している場合も感染しやすくなります。

原因となるのは、主に「黄色ブドウ球菌」と「レンサ球菌」という細菌です。黄色ブドウ球菌に感染すると水ぶくれに、レンサ球菌に感染するとかさぶたになることが多いとされていますが、9割以上は黄色ブドウ球菌によるものです。
黄色ブドウ球菌は、鼻の穴や耳の穴、のど、皮膚などに普段から「常在菌」として住んでいます。健康な皮膚に対しては悪さしませんが、何らかの理由でバリア機能が弱まった皮膚に入り込むと、そこで菌が増殖し毒素をつくり、水ぶくれや膿ができます。

水ぶくれや膿の中の液には、細菌や毒素が入っており、この液が周りの皮膚に触れると、また新たな水ぶくれや膿を作ります。患部をかいた手で他の場所に触れるとそこにも広がり、あっという間に全身に広がります。他の人にも感染します。
夏に流行しやすいのは、汗をかきやすく不潔になりやすいこと、あせもや虫刺されが増えること、高温多湿で菌が増殖しやすいことが原因と考えられます。
とびひ
予防法・治療法は?
普段から皮膚や手を清潔にすることと、子供が皮膚を掻きむしらないように注意が必要です。汗をかいたらシャワーを浴び、良く手を洗いましょう。虫さされや湿疹は早めに治療をして、掻かないよう気を付けてください。ガーゼなどで覆ってしまうのもひとつの方法です。

治療は原因となる細菌を退治します。塗り薬に加えて、抗菌薬の飲み薬を服用することが多いです。かゆみが強い場合は、かゆみを抑える治療も行います。
とびひは、ひどくならないうちに治療を始めると、より早く治すことができます。気になる症状があれば、早めに受診しましょう。
家ではシャワーを浴び患部をきれいに洗い流し、清潔に保っておくことが大事です。身体の他の部位や、他の人にうつさないようガーゼで覆い、触らないようにします。
きちんと治るまで治療・処置を続けることが大事です。途中で治療をやめてしまうと再発したり、抗菌薬が効きにくい耐性菌が感染することもあります。